H20年-問5・債権者取消権(権利関係)
難易度 ★★★★(難しい問題です)
Aは、Bに対する債権者であるが、Bが債務超過の状態にあるにもかかわらずB所有の甲土地をCに売却し所有権移転登記を経たので、民法第424 条に基づく詐害行為取消権(以下この問において「取消権」という。)の行使を考えている。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 対象となる詐害行為が行われた時点において、AのBに対する債権が、発生済みでかつ履行期が到来している場合でなければ、Aは取消権を行使できない。
- Cが甲土地の購入時においてこの購入がBの債権者を害すべきことを知らなかったとしても、Bが売却時においてこの売却がBの債権者を害することを意図していた場合は、Aは取消権を行使できる。
- Bが甲土地の売却においてCから相当の対価を取得しているときは、Aは取消権を行使できない。
- Aが取消権を行使できる場合でも、AはCに、直接自分に対して甲土地の所有権移転登記をするよう求めることはできない。
正解:4
【アドバイス】「詐害行為取消権」は、「債権者取消権」ともいいます。宅建試験ではなじみの薄い項目からの出題です。
- 誤り。詐害行為取消権(債権者取消権)の対象となる詐害行為は、取消権を有する債権者の「債権発生後」になされたことを要する。しかし、詐害行為が、取消権を有する債権者の「債権の弁済期後」になされたことは不要である。
- 誤り。詐害行為取消権は、その詐害行為によって利益を受けた者がその「行為の時」において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、行使できない。
- 誤り。行為者が詐害行為にあたり相当の対価を得ているか否かにかかわらず、行為者に債権者を害する意思があるならば、債権者は詐害行為取消権を行使できる。
- 正しく正解。詐害行為取消権を行使した結果は、全ての債権者の利益のためにその効力を生ずる。本肢では、Aが詐害行為の取消権を行使できる場合でも、詐害行為によって利益を受けたCに対して甲土地を「B」に返還するよう求めることができる。しかし、AがCに対して、Aに甲土地の所有権移転登記をするよう求めることはできない。
>>>ポイント
平成20 年度の出題当時は、多くの受験生がここまで学習しておらず、正答率の低かった問題です。今後改めて出題される可能性は否定できませんが、まずは他の出題頻度の高い項目の学習を優先するのがよいでしょう。








