H20年-問7・その他の契約(権利関係)

難易度 ★★★★(難しい問題です)
注意義務に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
  1. ある物を借り受けた者は、無償で借り受けた場合も、賃料を支払う約束で借り受けた場合も、善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない。
  2. 委託の受任者は、報酬を受けて受任する場合も、無報酬で受任する場合も、善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負う。
  3. 商人ではない受寄者は、報酬を受けて寄託を受ける場合も、無報酬で寄託を受ける場合も、自己の財産と同一の注意をもって寄託物を保管する義務を負う。
  4. 相続人は、相続放棄前はもちろん、相続放棄をした場合も、放棄によって相続人となった者が管理を始めるまでは、固有財産におけると同一の注意をもって相続財産を管理しなければならない。

正解:3
【アドバイス】「注意義務」の内容を問う、横断的な知識を要求される問題です。
  1. 正しい。ある物を無償で借り受けたという使用貸借も、ある物を有償で借り受けたという賃貸借も、債務者は、その物の引渡しをするまで、善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない。
  2. 正しい。受任者は、たとえ無報酬であっても、善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負う。
  3. 誤りで正解。商人でない受寄者(他人の物を預って保管する者)は、報酬を受けて寄託を受ける場合は「善良な管理者の注意義務」を負う。なお、無報酬での寄託の場合は「自己のものにおけると同一の注意義務」でよい。
  4. 正しい。相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。
>>>ポイント
「自己の財産におけるのと同一の注意義務」が定められているのは、「無償受寄者による寄託物の保管」・「親権を行う者による財産の管理」・「相続の放棄をした者による相続財産の管理」です。それら以外は「善良な管理者の注意義務」が要求されていると覚えましょう。