H20年-問11・不法行為(権利関係)
難易度 ★★★(やや難しい問題です)
Aが故意又は過失によりBの権利を侵害し、これによってBに損害が生じた場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- Aの加害行為によりBが即死した場合には、BにはAに対する慰謝料請求権が発生したと考える余地はないので、Bに相続人がいても、その相続人がBの慰謝料請求権を相続することはない。
- Aの加害行為がBからの不法行為に対して自らの利益を防衛するためにやむを得ず行ったものであっても、Aは不法行為責任を負わなければならないが、Bからの損害賠償請求に対しては過失相殺をすることができる。
- AがCに雇用されており、AがCの事業の執行につきBに加害行為を行った場合には、CがBに対する損害賠償責任を負うのであって、CはAに対して求償することもできない。
- Aの加害行為が名誉毀損で、Bが法人であった場合、法人であるBには精神的損害は発生しないとしても、金銭評価が可能な無形の損害が発生した場合には、BはAに対して損害賠償請求をすることができる。
正解:4
【アドバイス】「不法行為」に関する、やや難しい内容の問題ですが、不法行為が被害者保護を第一の目的としていることを思い出せば、正解を導くことができるでしょう。
- 誤り。たとえ即死でも、被害者に生じた損害賠償請求権が被害者の遺族に承継されると考えられる。よって、本肢で、Aの行為で即死した被害者Bに相続人がいれば、その相続人がBの損害賠償請求権を相続する。
- 誤り。他人の不法行為に対し、自己(又は第三者)の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない(正当防衛)。ただし、被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない。そして、被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる(過失相殺)。
- 誤り。使用者責任により、被害者に損害を賠償した使用者は、諸般の事情に照らし、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度において、被用者に対し、損害の賠償又は求償の請求をすることができる。
- 正しく正解。法人に対する名誉毀損行為により、金銭評価が可能な無形の損害が発生した場合には、被害者である当該法人は加害者に対して損害賠償を請求できる。
>>>ポイント
肢2のように、民法にも「正当防衛」という考えがあります。今後の試験でも出題される可能性がありますから、この機会に知識を補充しておきましょう。








